出場者全員が利用できる給水ステーションが、2.5kmごとに設置され、KEMスタッフが希望するランナーに水を配布します。タイミングチップのチェックポイントは、アンコール・トム、バイヨン寺院、バンテアイ・サムレ寺院のUターン地点に設けられています。また走行コースには1kmごとの番号標識が設置されます。フルマラソンコースは5kmごとの設置となります。
クメールエンパイア・フル&ハーフマラソンの一番の見所となるのは、なんといっても古代から受け継がれてきた美しい世界遺産の数々です。現在のカンボジアで栄えたクメール帝国は、かつて東南アジアにおける最強の帝国でした。 コースの中には20近くもの遺産がランナーを迎えてくれます。朝6時、朝焼けと共にスタートするマラソン。スタートの音と共にまず目に入ってくるのが、アンコールワットです。アンコールワットの5つの尖塔が黄金色に染まっていく姿は圧巻です。 しばらく走ると、そこに見えてくるのはアンコール三大遺跡と呼ばれるアンコールトム遺跡です。またの名をバイヨンと呼ばれています。バイヨンとはクメール語で「美しい塔」を意味します。その名の通り、幾重にも重なった神の顔が彫刻された遺跡は、その美しさに思わず目を奪われてしまう程です。 アンコールトム遺跡の周りを歩いている象と共に、原生林の雄大な自然がひろがる道を進んでいくと見えてくるのが、タップローム遺跡。遺跡を原生林の大木が浸食し、遺跡と木の幹が一体になったその場所は、映画の撮影舞台にも使われたという美しい空間です。 自然を感じながら原生林を走り抜けると、急に視界が広がり、スラ・スランという池と遺跡群を見ることができます。池の周りにある遺跡や、その周りで遊ぶ元気な子ども達の姿が、きっと足取りを軽くしてくれることでしょう。 その他にも数多くの遺跡が皆様を迎え、目にも心にも美しい景観を見せてくれることでしょう。
神秘的なアンコール遺跡の周りを走る、クメールエンパイア・フル&ハーフマラソン。このマラソンは素晴らしい景観を楽しみ、マラソンを楽しむだけのものではありません。
レースはアンコールワット寺院からスタートし、周辺に点在するアンコール王朝の王都、代々の王によって建造された寺院と森を巡る、魅力的なコースです。また、2.5kmごとにある給水所でのどを潤すこともできます。そのペットボトルを回収する係は全て現地の子ども達。大きな袋をもって嬉しそうにペットボトルを拾う姿に走っている皆様も思わず笑みがこぼれるでしょう。 そして、このクメールエンパイア・ハーフ&フルマラソンはランナーとして参加すること自体がチャリティになっているチャリティランです。内戦時代に数多くの人が犠牲になった地雷の被害。その名残が今でも続き、体の一部を失ったり後遺症で苦しむ人々が今でも後を絶ちません。このチャリティマラソンは、そんな地雷で苦しむ被害者の方々や、アンコール小児病院の子ども達へのサポートとなっています。 そして、レース中盤になると沿道に地元の子ども達が声援を送ってくれます。小さな手にハイタッチをすると、疲れも吹っ飛びます。クメールエンパイア・ハーフ&フルマラソンはランナーと地元の人々の想いが交差し、国を越え、人種を越え、共に喜びを分かち合えるすばらしい機会となることでしょう。